Department of Systems and Mathematical Science
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■SSOR Presentation Award 敢闘賞受賞! |
南山大学数理情報学部情報システム数理学科 稲川敬介 講師が 「SSOR Presentation Award 敢闘賞」 を受賞し、授賞式が2007年9月27日に政策研究大学院大学にて挙行されました。
SSOR(エスエスオーアール)とは、主に20代から40代にかけての人材交流支援と創造的活動創出を目的とした、 オペレーションズ・リサーチ分野における合宿形式夏季セミナーです。 今回は、日本オペレーションズ・リサーチ学会 創立50周年記念事業の一環として 2007年8月29-31日 に開催されました。
受賞発表は、「最適化手法を用いた救急車の移動経路と移動速度の推定」です。
近年、救急車の出場件数の増加に伴い、救急車が現場に到着するまでの平均時間が遅延し問題になっています。
この問題に立ち向うためにシミュレーション実験などをおこなう場合、救急車の移動速度の設定が実験結果を大きく左右します。
受賞発表では、道路の種類を考慮して詳細な速度の推定を実現します。
これまでの研究では、データに移動経路情報が含まれない限り、
通常の手法を用いて道路の種類を考慮して移動速度を推定する事はできませんでした。
また、すべての道路を同じ速度と仮定することは、十分に現実的とは言えません。
現実には、道路の幅などによって移動速度が変わる事が当然だからです。
そこで受賞発表では、二種類の道路で構成された道路網において、
道路網の最短路木を逐次求めることにより、二種類の移動速度の推定を可能にしました。
これにより、主要な幹線道路と住宅地の道路などの速度を区別する事が可能になるため、
より詳細な研究が期待できます。
また、同講師は、実際に推定した速度を利用してシミュレーション実験をおこなうため、
緊急車両のシミュレータ作成にも取り組んでいます。
これらの成果は、公開研究会などで一般にも公開されています。
上の写真は、受賞の盾をかかげた稲川講師の記念写真です。
(2007/10/16掲示)