Department of Systems and Mathematical Science
■鈴木教授 トロント大学での講演 |
南山大学理工学部システム数理学科 鈴木敦夫教授が2018年4月6日にトロント大学のRotman School of Management (ビジネススクール)で開かれたOperations Management and Statistics Seminarsにおいて講演をされました。 講演のタイトルは「Analytics Approach to the Improvement of the Management of Hospitals -Aichi Medical University Hospital's Case」です。 これは愛知医科大学病院との共同研究を報告したものでオペレーションズ・リサーチの幅広い応用の一つの成果です。
下は、このときの鈴木教授の講演の様子です。画像をクリックすると動画に切り替わります。
現在は公開期間が過ぎて閲覧できません。
(動画の再生はPC環境でないと難しいかもしれません。
スマートフォンでは見られない場合があることをご了承ください。
また、再生時に途中から始まる場合がありますが、手動で適当な位置に戻して再生してください。最初の2分ほどは準備風景になっています。
1時間半の動画ですので全部を一度に見るのは難しく分けて見る人も
いるかと思いますが、
他の人が見たら再生位置が変わることがありますので再生時間をメモしておいてください。)
なお、動画の右下にある別ウィンドウを開くボタンを押したり、その他単に接続しただけでIDとパスワードを要求する画面が出ることがあります。
時間をおいて再度つなぎなおすと見ることができると思いますが、すべての環境を試したわけではないのでどうやっても見ることができなかった場合は申し訳ありません。
講演の概要
この講演では、病院の運営管理にオペレーションズ・リサーチ(OR)の手法を適用して、
効率化した事例について話します。この事例は、愛知医科大学病院との共同研究によるものです。愛知医科大学の麻酔科の藤原祥裕教授にご協力いただいています。
具体的には、以下の3つの事例について話します。第1の事例は、待ち行列の手法を適用して、外来患者の待ち時間を推定しようという試みについてです。
愛知医科大学病院では、外来患者の待ち時間が大きな問題となっており、なかなか解決できずにいます。
我々は、待ち行列の理論というORの手法の一つを応用して、
様々な条件下で、患者の待ち時間を推定する手法を開発することに成功しました。
この手法を用いれば、患者の待ち時間が受容可能な程度にするための条件設定を行うことができます。
第2の事例は、手術室のスケジューリングの事例です。手術室を効率よく利用することは、
患者の治療にとっても、病院の経営にとっても重要です。
従来手作業で作成していたスケジュールを、整数計画法というORの手法を用いて、
自動的に作成できることができるようにしました。
これによって、手術室の運営が格段によくなり、医師の残業時間も減らすことができます。
第3の事例は、研修医のシフトスケジューリングです。
研修医は、大きな病院で、医療の現場に携わりながら、専門知識を習得している若い医師です。
その勤務の中で、夜勤や休日の当直もしなくてはなりません。
従来手作業で作成していたこのシフトを、整数計画法とAHPというORの手法を用いて自動的に作成することができるようにしました。
第1の事例は、まだ端緒についたばかりですが、第2、第3の事例は作成したシステムは愛知医科大学病院で試用してもらっています。
近い将来、現場で活用されて病院の管理運営に役立つものと思います。
(2018/4/20掲示)